新コーナーが始まります。

ここ静岡市清水区には、三保の松原、神秘の駿河湾、霊峰富士など、日本人の心を捉える美しい風景があります。
また東海道の名所で華やいだ宿場の街並みが連なり、三保の松原以外にも富士山のビューポイントが数多くあります、
静岡市清水区に焦点をあてて、地域にまつわる話題をシリーズでご紹介します


2013年9月6日金曜日

駿河湾の奇跡「桜えび」 ~産地の歴史

駿河湾の奇跡「桜えび」 ~産地の歴史と由来




先日、とある勉強会で、関西の社長さん12人と駿河湾産桜えびの試食会をしました。天日干しされた桜えびを食べた社長さんたちは口揃えてこう言いました。『まったくの別モノや。甘みと風味が全然違うわ!』大阪で生まれ育った私も、お好み焼きに入っている小さくて赤い小エビを「桜えび」だと思っていたことから、桜えびが世界的にも希少で、日本では駿河湾でしかとれない奇跡のえびであることを、あまり知らない人も多いように感じました
遊泳する桜えび



蒲原宿の街並み


蒲原町・由比町のある奥駿河湾沿岸に住む人々は
江戸時代の宿場の稼業の頃から、農地の他に塩業や沿岸漁業を営んできました。明治初期の地図には現在の東海道線のあたりから南側一帯はほとんど塩畑と記されており、集落の前面に拡がる砂浜を利用した製塩業の盛んであった様子がうかがわれます。「桜えび」漁業の始まる以前には、漁師は地引き網漁と沖合でのカツオ漁を主漁とし、マグロやカツオやカジキを求めて船で西伊豆から時には下田以遠までも漁に出かけていたようです明治の半ば頃までには、この地方ではこのほかに、かまぼこの材料となるキスやサメを水深600~800mで漁獲する、はえ網釣漁や冬のアジ船ひき網漁が盛んでした



桜えびの歴史は意外に浅く、江戸時代にここ駿河湾に小さな美しい桜色をしたエビがいることは漁民の間で知られていたようですが、漁業として成り立ったのは明治27年(1894年)12月。いつものように鰺の夜曳漁に出掛けた由比町の望月平七さんと渡辺忠兵衛さんが富士川尻沖の漁場についてから網を浮かせておく浮樽を積み忘れて、仕方なく浮樽なしで鰺網をおろしたところ、網が深く沈んで、引き上げると一石(180リットルもの大量のエビが入ってきたことを機に、桜えび漁は一気に盛んになり、駿河湾の特産品として知られるようになったようです。
桜えび夜曳船





桜えび天日干し風景


桜えびという名をだれがいつ頃つけたかは定かではありません。体長は4~5㎝、透明で美しい桜えびを干すと
その色が桜花を撒いたように美しかったことから桜えびと呼ばれているようです。富士川の河川敷で桜えびを天日干ししている様は、桜色のじゅうたんを敷き詰めたような風景で、季節の風物詩を味わうことができます

にほんブログ村のランキングに参加しています。
↓もしよろしければワンクリックお願いします。 
にほんブログ村 写真ブログへ
にほんブログ村




0 件のコメント:

コメントを投稿